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梱包材とホルムアルデヒド規制 研究会ニュース(1)

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この情報は社団法人日本荷主協会様の許可をいただいて木製梱包の検疫などに関する情報を掲載させていただいております。


梱包材とホルムアルデヒド規制 研究会ニュース(1)
2009年1月9日(金)

International Standards for Phytosanitary Measures ISPM REPORT No.09‐01

林野庁(木材利用課木材貿易対策室)がカリフォルニア州当局に出した質問に対する回答を西日本梱包工業組合の寺嶋専務理事より入手しました。林野庁の担当官の了解を得て、その内容をQ&A形式に直してお送りします。

ただし、このQ&A は合板一般に関するものと梱包材に関するものとが混ざっています。なお、同州のホルムアルデヒド規制に関する日本国内での関連業界向け説明会の開催については、同州政府内で未だ検討すら始まっていない(担当者不在のため)との回答です。

下記文中、英文の翻訳ならびに「解説」部分は日本荷主協会事務局によるものです。
本件内容に関するお問い合わせは梱包材とホルムアルデヒド規制研究会 メンバーの方に限定します。

Q1 規制の要求基準に見合わない製品は、それぞれの適用フェーズでどのように扱われるのか?
1. When products are found in California to be out of compliance, our enforcement staff will conduct an investigation to determine the individual or company responsible for the noncomplying products. The investigation will rely on checking records, statements of compliance, and our laboratory will conduct emission testing of some products.

製品が違反していると州内で発覚した場合、当局の取り締まり担当官はどの個人または会社が違法製品に責任があるかどうかを決める調査を始める。その調査は記録・遵法声明文の検査により、試験所では製品の放散試験なども行う。

解説: 適用フェーズの具体的日程は合板材質により異なり、一概に言いにくいが、米国輸入者に対する規制
は早ければ今年4月1日から適用になる。違反に対する罰則は軽い違反の場合は1日当たり1,000ドル以下、
故意または重大な違反の場合は1日当たり10,000ドル以下の民事罰となる。カリフォルニア州法39674(a) (b)(1)



Q2 ソフトウッド(針葉樹材)の合板は例外となっているが、具体的に何をもって基準の適用・適用除外を区別しているのか?
2. Plywood made for structural strength properties, often from softwood, is exempt from the regulation.
We exempted structural plywood because it is usually made with phenol formaldehyde resins to be more water resistant for exterior uses than hardwood plywood made with urea formaldehyde for cabinets and furniture. Phenol formaldehyde products also tend to be lower emitting than urea formaldehyde resins. Under the ANSI/HPVA HP-1 standard, hardwood plywood may be made with a face veneer consisting of ardwood or decorative softwood species. If plywood doesn't meet the HP-1 standard, then it wouldn't fall under the regulation.

構造材用の合板は多くの場合針葉樹で作られるが、規則の適用除外としている。キャビネットや家具用の広葉樹合板が尿素系ホルムアルデヒドを使うのに比べ、構造材用合板は外部使用に耐水性を高めるように通常フェノールホルムアルデヒド樹脂を使っていることが適用除外とした理由である。フェノールホルムアルデヒド製品は尿素系ホルムアルデヒド樹脂に比べて、概して放散量が少ない。ANSI(全米標準協会)HPVA(広葉樹合板ベニヤ協会)のHP-1 スタンダードであれば広葉樹合板も表面が広葉樹ないし装飾用の針葉樹材でできていても構わない。もし合板がHP-1基準に満たない場合はこの規則は適用しない。

解説: 合板や木質ボードには、木材チップや木材片を貼り合わせて合板や集成材を製造するために、各種の接着剤が加工工程で使われる。それらの接着剤の多くは、ユリア樹脂(尿素/ホルムアルデヒド樹脂)、メラミン
樹脂(メラミン/ホルムアルデヒド樹脂)、フェノール樹脂(フェノール/ホルムアルデヒド樹脂)に大別しされる。

解説: カリフォルニア州法典§93120. ATCM § 93120.1 Definitions(8)には適用除外の例が列挙されている。梱包材に関係するものをピックアプすると
*soft wood board (針葉樹合板)(外国産針葉樹合板まで無条件に適用除外になるのかどうかがポイント)
*structural plywood (構造用合板) “全米自主産品基準- Structural Plywood” (PS 1-07)規定のもの
*structural panels (構造用パネル) “全米自主産品基準Performance Standard for Wood-Based
Structural-Use Panels” (PS 2-04) 規定のもの
*structural composite lumber (構造複合木材) “Standard Specification for Evaluation of
Structural Composite Lumber Products” (ASTM D 5456- 06) 規定のもの
*oriented strand board, (OSB) (外国産のOSB まで無条件に適用除外になるのかどうかがポイント)

ただし、これらはQ2 に対する回答から推測すると、全て米国の何らかの基準に従ったものでなくてはならぬようである。上記Q2 の質問と回答は微妙にずれていて、針葉樹合板が全て無条件で適用除外なのかどうかは定かではない。針葉樹合板についてはどうやらANSI(全米標準協会)HPVA(広葉樹合板ベニヤ協会)のHP-1基準が示されたようだが、OSB については何らかの基準が要求されるのかまたその証明が書類・スタンプシールなどで必要なのか、カリフォルニア州政府当局に再確認する必要があろう。



Q3 CA州以外の州で同様の厳しい規準を導入しているところはあるか?
3. Currently, we are not aware that any other states have adopted formaldehyde emission standards for composite wood products. The U.S. EPA has been petitioned to consider adopting a national formaldehyde standard for composite wood products. U.S. EPA is considering this.

現在のところ、米国の他州が合板製品に対するホルムアルデヒド放散規制を採用したかどうかは知らない。
米国環境保護庁には、合板製品に対するホルムアルデヒド放散規制の全米基準を設定すべきとの請願が来ている。米国環境保護庁(EPA)ではこれを検討中である。



Q4 日本の規準(JAS4☆)であれば、規準をクリアすると考えて良いか?
4. None of the European or Japanese standards are considered equivalent to our requirements becaus our regulation requires manufactures to be third party certified that their mills consistently make composite wood products that comply with the regulatory emission standards. Neither the European or Japanese standards have such a testing and certification requirement.

欧州や日本の基準で当方の要求に合致すると思われるものはない。なぜなら当方の規則は生産者工場が常に規制内の放散値基準を遵守する合板製品を作るように第三者により証明することを要求しているものである。欧州や日本の基準にはそのような試験や証明を求めているものはない。

解説: 日本では合板や木質ボードには日本農林規格(JAS)がありF☆☆☆☆と表示するものは、FR値=ホルムアルデヒド放散量が、平均で0.3mg/L 以下、最大で0.4mg/L以下となっている。
Q5 試験方法の詳細について教えて欲しい。室内テストの筈だが、それならなぜ室外だけで使用するパレットも対象となるか、納得がいかない。
CA 州よりの回答はなし。

解説:この点については昨年公聴会Q&A の一例を示しておく。
-Eastman Kodak社質問:
梱包材やパレットに対する規則適用は配慮をして欲しい。梱包材に関しては適用除外とすべきではないか。-
環境保護局回答
そのような訳には行きません。
While some pallets and shipping crates are used in warehouses away from exposure to the general public, there are many instances in which there is potential for public exposure to formaldehyde emissions from wood used in making such packaging materials and pallets.・・・. Thus, if packaging materials and pallets are made with composite wood products for use in California, the composite wood products will need to comply with the emission standards in the ATCM. Pallets and shipping crates made prior to the effective date of the emission standards can still be used. For the purposes of the ATCM, pallets and crates are considered finished goods. Pallets made after 2009 will need to be constructed from complying composite wood products and labeled as specified in the ATCM.
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林野庁の担当官:
林野庁木材利用課木材貿易対策室山之内留美子氏rumiko_y1m1n@nm.maff.go.jp
TEL: 03 3502 8111(6130) 直03 3502 8063 / 3502 7830 FAX: 03 3502 0305

本件内容に関するお問い合わせは梱包材とホルムアルデヒド規制研究会 メンバーの方に限定します。
文責: 日本荷主協会常務理事 河村 輝夫 ted@orion.ocn.ne.jp

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